館長 妹島和世から
開館40周年のご挨拶

©Kohei Omachi

40周年によせて

東京都庭園美術館は、今から40年前の10月1日に開館いたしました。これまでに190余の展覧会を開催し、多くの方々にご来館を賜りましたことを、深く感謝申し上げます。建物と敷地は、かつて皇族であった朝香宮の邸宅を美術館として用いており、美しいアール・デコで彩られた室内装飾の中で鑑賞していただく展覧会は、また一味違った作品の味わいを引き出すことができたのではないかと思っております。開館40周年を迎え、これからもアール・デコの建築や、広い庭園を生かし、様々な可能性を探りながら、この場所を大切に育てていきたいと考えております。 館長 妹島和世

開館40年のあゆみ

1982年 [昭和57年]
東京都による「旧白金迎賓館跡地暫定利用検討会(第1次検討会)」で、旧朝香宮邸を美術館として公開する方針が決まる

12月24日
東京都は財団法人東京都文化振興会を設立
1983年 [昭和58年]
3月
「旧白金迎賓館跡地暫定利用検討委員会(第2次検討会)」で美術館の管理運営について、財団法人東京都文化振興会が行うことに決まる

6月
旧朝香宮邸を美術館に改修するための工事及び、茶室改修工事を実施する

10月1日
東京都庭園美術館 開館
開館記念展「グッゲンハイム美術館展」開催

12月
鈴木進 初代館長就任
1990年 [平成2年]
アンリ・ラパンがデザインした室内用噴水器(香水塔)修復
アール・デコ様式の歴史的建造物鑑賞のため、年1回程度の建物公開展開催を決める
1993年 [平成5年]
3月
美術館本館(旧朝香宮邸)が東京都指定有形文化財(建造物)第1号に指定
1994年 [平成6年]
8月~翌年3月
設備改修工事のため休館
1995年 [平成7年]
10月
美術館を管理運営する財団法人東京都文化振興会と、財団法人江戸東京歴史財団が統合し、財団法人東京都歴史文化財団となる
1996年 [平成8年]
4月
井関正昭 2代目館長就任

9月
東京都迎賓館が財務局から生活文化局へ所管換えとなり、東京都庭園美術館新館となる
1997年 [平成9年]
室内照明修繕と設備改修工事実施
1998年 [平成10年]
正面玄関にあるルネ・ラリックのガラスレリーフ「女性像」のスペアと推定されるレリーフを、国内オークションで入手。ひびが入っていた美術館の「女性像」と交換
2000年 [平成12年]
4月
友の会発足(2010年まで)

7月
美術館ニュース創刊(2014年まで)

9月
公式ホームページ開設
本館外壁復元工事。妃殿下居間バルコニータイル補修。アンリ・ラパン油彩壁画補修
2001年 [平成13年]
「カラヴァッジョ 光と影の巨匠―バロック絵画と先駆者たち―」展開催(歴代入館者数第1位 185,597人)
2003年 [平成15年]
本館3階ウインターガーデン修復、公開
2007年 [平成19年]
東京都による「都立文化施設のあり方検討会」にて東京都庭園美術館の運営上の課題、これからのあり方を検討。「歴史的価値の保護と新しい価値の創造」が基本的な考え方として打ち出され、改修等に関する提言がまとめられる
2010年 [平成22年]
4月
美術館を管理運営する財団法人東京都歴史文化財団は、公益財団法人へ移行
2011年 [平成23年]
11月
本館改修工事、新館建替えのため休館
2012年 [平成24年]
正門、門扉の修繕、殿下居間の壁紙復元、旧事務官室の照明再取り付け、中庭木戸の修復を行う
2013年 [平成25年]
12月
本館改修工事完了、新館竣工 新館に新たな展示室ギャラリー1、ギャラリー2が完成
2014年 [平成26年]
室内用噴水器(香水塔)を再修復

11月22日
リニューアルオープン
2015年 [平成27年]
開館30周年記念展「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」開催

7月
旧朝香宮邸(美術館本館)、茶室、正門、倉庫、自動車庫が国の重要文化財に指定される。供待所、内庭境門及び塀、門衛所が附指定される
2016年 [平成28年]
7月
樋田豊次郎 3代目館長就任
茶室耐震補強工事実施
2017年 [平成29年]
11月
本館にエレベーター設置
2018年 [平成30年]
3月
西洋庭園、レストランが竣工し、総合開館する
2019年 [平成31年]
3月
本館パーゴラ及び、内庭境塀を補修完了
2020年 [令和2年]
3月
東京都庭園美術館条例 公布
2021年 [令和3年]
4月
公益財団法人東京都歴史文化財団が、東京都庭園美術館の指定管理者として管理運営業務受託
2022年 [令和4年]
7月
妹島和世 4代目館長就任
©Kohei Omachi
2023年 [令和5年]
10月1日
開館40周年を迎える